訪問美容のコミュニケーションスキル
施設内でのマナー、施設スタッフやご入居者・家族とのコミュニケーション、年代別の嗜好や好まれるヘアスタイルの理解、傾聴の大切さや敬語の使い方、話題作りなどについて学びます。
訪問先(施設内)でのマナー
訪問美容はサロンとは違い、施術する場所を「お借りする」ことになります。常に施設にお邪魔しているという意識を持ちましょう。物をお借りする時には感謝の気持ちを忘れず、必ず施設スタッフに確認してください。またその際に、お礼の気持ちを言葉で伝えてください。訪問時の私語、喫煙はもちろん、緊急でやむを得ない場合を除いて携帯電話の使用もNGです。一般の社会人マナー、ビジネスマナーに細心の注意を払って行動する必要があります。
施設スタッフやご入居者・家族とのコミュニケーション
訪問理美容サービスにおいて、施設スタッフは非常に重要な存在です。彼らと良好なコミュニケーションを確保することが最初の大きな仕事とも言えます。お客様からの要望があっても、施設スタッフに気に入って頂けなければ施設には出入りできません。十分な意思疎通のできないお客様の施術時は仲介・協力していただくことになります。仮に施設の中で仕事を頂くことになった場合でも、スムーズに業務を行えるかどうかは、施設スタッフの力に頼ることが大きいというのをしっかりと認識してください。
また通常のサロンであればお客様のクレームは100%ご本人からしかきません。一方、訪問美容のクレームはご家族、施設スタッフからのものが大半を占ます。その内容は「服やベッドにカットした髪の毛の残りがついている」、「ご入居者の希望と家族の希望するスタイルと異なっている」などのようにサロンとは大きく異なるということを理解しておく必要があります。
傾聴の大切さ
訪問美容のお仕事に従事する方にとって「傾聴」はとても大切です。傾聴とは、相手の話している言葉を聞くだけでなく、積極的に相手を理解しようと「心の声に」耳を傾ける事です。相手が「自分の話を聴いてもらっている」という気持ちになる事が大切です。そのためには、柔らかな表情、相手と視線を合わせるような姿勢、相手と向き合う姿勢などの他、相手のペースに合わせる、すこしトーンを落とした声の調子やゆっくりとした話し方に気を配る、などの態度が必要です。もし、相手が沈黙するような場面でもうなずくなどして、「聴いています」という姿勢を相手に伝える事が大切です。
世代間ごとの大きな価値観の差
我々のお客様の対象となるのは65歳以上の高齢者であり、その中でも特に75歳以上の方が大半を占めます。90歳と78歳でも12歳年齢が異なります。皆さんに置きかえていただきたいのですが、30歳と42歳では大きく価値観が異なります。90歳と78歳も当然価値観や考え方に大きな差があることに留意してサービスを提供する必要があります。